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中小企業こそ、リアルな接点で心をつかむ時代
SNSやWeb広告があたりまえになった今でも、「会う」「話す」「体験する」といったリアルな接点の力は健在です。むしろ、デジタルが当たり前になったからこそ、リアルな出会いの価値が際立ちます。
中小企業にとって、オフラインの施策はファンとの“信頼関係”を深める大きなチャンス。一人ひとりと丁寧につながることで、強い共感や愛着を生み出すことができます。
この記事では、「推しをもっと広めたい」と感じるファンを自然に後押しできるようなオフライン・イベント戦略を、実行可能な例とともにご紹介します。
「知ってもらう」ためのオフラインイベント設計
体験が、ファン化の入口になる!
オフラインイベントの第一の目的は「接点づくり」です。体験を通してブランドに触れてもらうことが、最初の一歩になります。
たとえば、以下のようなイベントが導入としておすすめです。
- 試食会・商品体験会
地元の直売所の一角で開催する試食会や、商業施設の特設ブースでのハンドケア講座など。実際に手に取り、味わい、香りや質感を感じてもらうことが、ファン化の第一歩になります。 - ワークショップ(DIY、料理、メイクなど)
ハンドメイドのワークショップとして、たとえばスマホケース、デコパージュ、クリスマスオーナメントや正月飾りなど。実用性や季節感を取り入れると、参加意欲も高まります。 - 新商品発表会・展示会
カフェスペースやギャラリーを借り切って、新商品の背景や開発秘話を語る場に。開発者から話を聞ける機会は「特別感」があり、ブランドへの信頼を高めてくれます。 - 交流会・座談会
カジュアルなトークイベントやお茶会スタイルの座談会で、参加者同士・企業スタッフとの会話が生まれる場を演出。
また、近年注目される“推し活”の視点を取り入れるのもポイント。 「ブランドの裏側が見られる」「スタッフと直接話せる」といった体験は、ファンにとって特別な時間になります。
「心に残る」リアルな体験で、愛着を育てる
記憶に残る“ストーリーある場”を設計しよう
イベントを単なる体験の場で終わらせず、「記憶に残る場」にするための工夫も重要です。
- 五感を刺激する演出
たとえば、ハーブの香り、アンティークなランプの光、心が安らぐ音楽や自然の音といったBGM、自然素材の手触りが楽しめる食器でのドリンクや軽食の提供など、場に“質感”を持たせることで体験が深く印象に残ります。 - 少人数制の丁寧なコミュニケーション
1グループ10名程度の少人数で行うことで、参加者同士やスタッフとの対話が自然と生まれ、距離が縮まります。 - 開発ストーリーの共有
「なぜこの商品を作ったのか」「どんな失敗があったのか」など、開発者自身のエピソードを語ってもらうことで、商品に“物語”が宿ります。 - 参加者同士のつながりを育む場
イベント冒頭にアイスブレイクとなるゲームやワークを取り入れて、自然な会話が生まれる場を用意しましょう。イベント中に関係性を築くことで、終了後もオンラインでつながりやすい雰囲気を育てることができます。
「推しを広めたい」気持ちをSNSで後押し
リアル×SNSで、共感が拡散する仕掛けを
リアルな体験が心を動かしたとき、人は「誰かに伝えたい」と感じます。SNSとの組み合わせで、イベントの価値をさらに高めましょう。
- イベント前:DMや招待状などで特別感を演出し、期待値を高める
- イベント中:フォトスポットやオリジナルハッシュタグの提示で、SNS投稿を促す。スタッフが撮影サポートするのも◎
- イベント後:写真共有・感謝メッセージ・参加者限定のフォローメールで、体験の余韻を育てる
ハッシュタグ投稿を条件にしたプレゼントや、シェアコンテストのような企画も、投稿の動機づけとして有効です。
低予算でも実現できる!リアルイベントアイディア集
中小企業でも無理なく取り組める、工夫を凝らしたイベント例を紹介します。
- 地域施設の活用
例:ショッピングモールのイベント広場を借りて、スマホケースやクリスマスオーナメント、正月飾りを作るワークショップを開催。実用性の高いものや季節のイベントとリンクするものは人気が高く、集客しやすい傾向が。施設側と共同で宣伝できれば告知の効率も上がります。 - 社員による運営
例:開発スタッフ自身が講師となるミニ講座を実施。参加者との距離が縮まり、商品への信頼感にもつながります。 - 地域コラボで内容を充実
例:地元のパン屋とコラボして「朝活+朝食イベント」を開催。ウォーキングや朝ヨガと組み合わせて、イベント後にはモーニングプレートを提供します。健康機器メーカーやヘルスケアアプリ開発企業と親和性が高く、話題性もアップします。 - 参加費制・抽選制を導入
例:ワークショップを有料の抽選制にすると本気のファンが集まりやすく、運営の負担も軽減できます。 - アンケートで次回施策へ活用
例:イベント終了後にQRコードでアンケートを回収。参加者の声をもとに改善を繰り返すことで、継続的なファン育成につながります。
オンラインと組み合わせて、つながりを持続させよう
イベント後の熱量を維持するためには、オンラインでのフォローが効果的です。
- SNSグループやメルマガなどで情報発信
- 会員限定の動画配信や先行案内で特別感を演出
- ライブ配信やアーカイブで、遠方のファンにも参加の機会を
番外編:ターゲットによって施策を変える
ネットに不慣れな層には、アナログ施策が今も有効です。
- 地域掲示板やチラシでの告知
例:町内会の掲示板や公民館の掲示板、スーパーの掲示スペースを活用するなど、紙媒体での告知はネットを使わない高齢層に有効です。デザインを手書き風にしたり、地元の写真を入れたりすることで、親しみやすさと安心感が演出できるでしょう。 - ウォーキングイベントや健康講座
例:ラジオ体操イベント、寝たきりを予防する体操、認知症予防の脳トレ講座など。見守りロボットや高齢者向けのコンパニオン・ロボットの展示・体験と親和性が高く、シニア層の注目を集めやすいテーマです。 - 防災意識に訴えるイベント
例:非常食の試食会やアウトドアグッズ体験。大きな災害が発生すると、特に高齢者がアウトドア用品を買い求めるケースが増えて、レインギアやシュラフ、長期保存食などの需要が高まります。健康と防災は、特に高齢層に強く響く“永遠のテーマ”です。
まとめ:リアルな体験が、“推しを広めたい”ファンを後押しする
ファンマーケティングは、「広げる」だけでなく、「深める」ことが大切。リアルな体験はブランドへの共感を強くし、ファンの「推しを伝えたい」気持ちを後押ししてくれるでしょう。
あたたかく、丁寧なコミュニケーションは、中小企業にこそ実現可能で強力な武器です。オフラインでの“共感の場づくり”、はじめてみませんか?
次回は、口コミを生むファンの輪の広げ方についてお送りします。
(アイキャッチ画像:Designed by Freepik)
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